弁護士インタビュー 杉谷 聡


なぜ、オリンピア法律事務所を就職先として選んだのですか。

企業法務を中心に個人の依頼者の案件まで幅広く扱っていること、各先生のバックグラウンドが多様で、軸となる分野も異なること、なにより事務所の先生方のお人柄や考え方に惹かれたことです。「名古屋に企業法務を扱う大きな事務所を作りたい」という大きな目標と、それに向けてどのような取組みをしているのかというお話しがとても具体的で、事務所像がはっきり見えたことが、大きかったと思います。


仕事内容について教えてください。また、事務所全体での取扱分野は何ですか。

普段の業務は、8割程度が会社や事業をされている方関係の仕事で、残りの2割が個人のお客様の仕事です。取引から生じる問題(契約、取引から生じるトラブル・紛争)や労働事件が多いですが、家事事件や刑事事件も担当しています。顧問先は、規模でいえば上場会社から中小企業まで、業種も多種多様なので、企業法務については幅広く扱っています。

裁判業務かどうかという観点でいえば、裁判業務とそうでない業務とが半々程度です。

事務所で取り扱っている事件を見ると、よく見かける事件類型でいえば、医療過誤と知財訴訟を除けばだれかが扱っている、という印象を持っています。


どのような時にやりがいを感じますか。

最近は、依頼者からのフィードバックも含めて、仕事の中で自分が満足できるアウトプットをできたこと、というのを自分の中での基準に設定しています。案件の内容・性質、依頼者の要望、自分自身の業務のボリュームやスケジュール、そういった様々な要素を調整し、自分も納得がいって、依頼者にも満足してもらえるアウトプット(最終的な解決だけでなく、打合せや裁判期日でのやりとり、起案、相談の回答など)を出せたと感じられたときに、強い充足感があります。


働き方(スケジュール)について教えてください。

一日単位で見れば、朝9時頃までに事務所に来て一日のスケジュールを確認し、メールを整理しながらその日のタスクを考えて、本格的に仕事を始めています。日中は、打合せ、裁判期日などを行いながら、合間の時間で起案したり、契約書をレビューしたりして、掛かってくる電話にも対応しています。夕方くらいになると、顧問先からのメール相談などでその日のうちに回答できるものは回答して、なるべく翌日に持ち越す仕事が少なくなるようにしています。急ぎの仕事がなく、夕方以降に予定も入っていなければ、その日新しく来た仕事で当日中に終えられるものをすべて終わらせるところまでやる、という働き方を心がけています。

帰宅時間はまちまちで、目の前の仕事が捌けていれば、夕方頃に仕事を終えるようにしています。ただ、案件が混んでいると、夜遅くまで事務所で仕事をすることもありますし、早めに帰宅して自宅で仕事することもあります。M&Aとか、ボリュームのある書面の起案を抱えているときは、遅くまで仕事をすることが多いです。

休日は、仕事の段取りをするときに作業時間として計算しないようにしていますし、実際にも、休日に仕事をすることはあまりありません。スケジュールがタイトな案件が重なっているときに、作業時間のバッファとして活用するという程度です。


コロナ禍で働き方は変わりましたか。

依頼者との打合せ、裁判、弁護士会関係の会合など多くの場面でウェブ会議の利用割合が大きく増えました。事務所に出てきて仕事をするという部分は変わりませんが、移動時間が少なくなったというのは大きな変化だと感じています。

在宅勤務については、自分の担当案件についての記録の電子化は進めていますので、その意味では自宅で作業することはできますし、実際に作業することも多いです。ただ、やはりパートナーと連携して動くことが多いので、現状は事務所にいる時間がそれなりに必要だと思います。事務所にいた方がほかのメンバーとの交流もできますので、みんなで同じ場所で働くことのメリットは大きいから完全な在宅勤務は難しいというのが、私たちの事務所の弁護士メンバーの感覚だと思います。


今までの仕事で一番印象に残っているものはありますか。

まだ完全には終わっていない案件なのですが、長年一緒に事業を行ってきた兄弟間の紛争に関する交渉案件です。

経営権争奪の場面になることを想定してシナリオを考えたり、交渉を有利に進めるための材料を集めるため現地に赴いたり、レールがないところに自分たちでレールを敷いて走っていくところに、難しさを感じつつも、これこそまさに弁護士としての力量の見せどころなんだなという印象を持ちました。大量の業務資料をひとつひとつ確認して主張を整理するなど、作業は大変でしたが、その分だけ依頼者と親しくなりましたし、過去の問題に区切りを付けて新しく事業をスタートするお手伝いができたという点で、強いやりがいを感じた案件でもあります。


事務所の雰囲気や執務環境はどうですか。

もちろん法律事務所なので、バタバタしていることは多いのですが、かといってピリピリした空気があるわけでもなく、落ち着いた雰囲気の中で仕事ができています。弁護士も事務局もまじめな人ばかりなので、仕事に手を抜く人はいないですし、そうした中でも意外と空気がゆるむ時間も多いので、私はとても気に入っています。

執務環境は、物理的なものも、目に見えないものも、自分の周りを自分に合う環境に変えていくことができるという表現が一番合っているように思います。設立から5年という若い事務所なので(メンバーは若い人ばかりではないのですが)、よくも悪くも、固まりきった制度や風土はありません。


新人はどのような形で案件に入っていくのですか。 

パートナーから「新件の相談があるので一緒に参加しましょう」と声がかかり、相談から相手方との交渉、そして裁判へと発展していくパターンが典型例です。最初のうちは、新件や始まったばかりの案件など、入りやすい案件を割り当てて頂いたように思います。


どのようなことを心掛けて業務にあたっていますか。

事務所のミッションと似ていますが、依頼者に満足してもらえるリーガルサービスを提供することです。私たち弁護士の仕事は、法律事務というサービスの提供であって、単に自分の法的知見を示すことではありませんし、かといって、依頼者の伝言役でもありません。自分が案件に関わることで、どのような付加価値を依頼者に提供できているのかを意識するように心がけています。 


当事務所の強みは何だと思いますか。

中部地方の法律事務所の中では弁護士の人数が多いということと、同じミッション・ビジョンを明確に共有していることの二点です。


今後の目標は何ですか。

4年間の弁護士としての経験を通じて、自分の中で重点分野としていきたいと思う分野がいくつか見つかりました。また、パートナーの先生方から指導いただく中で、その分野を弁護士としての柱に育てるための道筋も、おぼろげではありますが、右も左も分からなかった1年目を思い起こせば格段に、具体的に視野に捉えることができたと思います。いまの目標は、自信をもってその重点分野を掲げられるように、知識と経験を身に付けることです。


どんな方に来ていただきたいですか。

考えることが好きな人、まじめな人、活動的な人のように属性を挙げることもできるのですが、一番重要なのは、ミッション・ビジョンに共感して、その達成のための具体的なアクションに一緒に取り組んでいける人です。

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